2011年08月11日10:00 【トピックス】
JFEスチールは550N/mm2級円形鋼管『P-385』を使用した超高強度コンクリート充填鋼管を実用化
JFEスチール株式会社は、550N/mm2 級円形鋼管『P-385』の内側に100N/mm2の超高強度コンクリートを充填したCFT柱(*1)の実証実験を実施・完了し、これにより『P-385』を使用した超高強度CFT柱の実用化に目処を立てたと、7月29日発表した。
高層建築物においては、経済設計の観点から、鋼管内にコンクリートを充填し、強度を高めたCFT柱を採用する事例が一般化している。近年では使用される鋼管及びコンクリートの高強度化が進んでおり、JFEスチールでは2009年に、建築構造用550N/mm2 級冷間プレス成形角形鋼管『PコラムG385』に60N/mm2の高強度コンクリートを充填したCFT柱への適用実証実験を行った。今回は、『PコラムG385』と同強度の円形鋼管『P-385』に、100N/mm2の超高強度コンクリートを充填したCFT柱の適用実証実験を実施した。実験には、国内有数の大型試験機を使用することで、実大級の大規模試験体により構造安全性を確認している。この超高強度CFT柱を使用することで、標準的な490N/mm2級の鋼管に60N/mm2のコンクリートを充填したCFT柱に比べて、鋼材重量を最大約3割低減することが可能となる。また、鋼材重量を増やさずに外径を約1割縮小することも可能となり、室内利用空間の拡大を実現することも選択可能となる。
JFEスチールでは、今後、主に超高層ビルを中心とした適用を提案していく予定だ。
(*1)CFT Concrete-Filled-Steel-Tubeの略。
CFTの概要
コンクリート充填鋼管(Concrete-Filled-Steel-Tube)は鋼管柱の中にコンクリートを充填した構造であり、鋼管とコンクリートの相乗効果により、優れた構造性能を発揮する構造となっており、以下の特徴を持っている。
・鋼管とコンクリートの相乗効果により、大きな荷重を負担することができる。
・鋼管の働きで地震時のエネルギー吸収量が大きく、粘り強い。
・鋼管がコンクリート打設時の型枠となり、施工性がよい。
・コンクリートの耐火効果により火災に強い。
関連リンク
JFEスチール株式会社 http://www.jfe-steel.co.jp/index.html